会報第14号(P3)

80年の道程
能代高等学校同窓会長 田中 仁純
 東京同窓会の皆様には益々ご健勝にてお過しのこととお慶び申し上げます。畠会長をはじめその活躍ぶりは遠くからでありますが、敬意をもって拝見致しております。
 さて、今年は母校が創立80周年を迎えます。9月17日(土)に記念式典を挙行する予定で目下鋭意努力しているところです。その折の記念講演は昭和63年卒業の木本雄吾氏を予定しております。つくば宇宙センタ−に勤務されている若い科学者であり、生徒諸君に夢を抱かせる講演になるのではと楽しみにしております。80周年を冠とする記念事業も着々と進展しており、招待野球大会は6月17日の硬式と、25、6日の軟式が行われました。硬式は春の甲子園をわかせた羽黒高校と、永遠のライバルである秋田商業の二校、軟式は作新学院と仙台商業の胸を借りて対戦しました。いずれの試合も敗れはしましたが、内容の濃い、次へのステップを感じさせる好ゲ−ムを展開致しました。
 母校は大正14年第1回の入学式を挙行、それに先立った入学試験は約3倍の競争率であったと言われ、そこに能代中学への期待の大きさがうかがえます。旧工業高校の間借り授業から大正15年9月23日、樽子山に新校舎が落成をみました。この日をもって母校の創立記念日としております。当時能代港町では15万円を予算計上し、その他にも篤志家や町内会からも浄財がよせられています。能代中学は県立ですが、多くの地域の人々の熱意と期待、そして温かい援助があって実現したことをこの節目に当り歴史を思い起こして忘れることのないよう心にたたみたいものです。武藤初代校長をはじめ、先生、町民各位の情熱にはげまされ入学早々からテストにつぐテストできびしい勉学を積んだ先輩達が築いた母校愛と伝統が今日に至った道程を思えば邁感胸に迫るものを感じます。東京同窓会も創立20余年を経てさらに充実発展されますことを心より祈念申し上げます。

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